九重山は牧歌的な草原の広さも魅力であるが、四季の変化に富み、珍しい高山植物も多く自生し、登山者の目を楽しませてくれる。
春の使者、フクジュソウやマンサクが咲き始めると、黒々とした草原はキスミレに彩られ、ユキワリイチゲやエイザンスミレが日だまりでほころびる。
そしてコブシやアセビ、ヤマシャクヤクが春本番を告げる。

5月〜6月は九重山がもっとも華やぐ季節である。
大船山のイワカガミ、マイヅルソウの群落、ドウダンツツジが其処其処を彩り、艶やかなツクシシャクナゲ、日本の南限と言われる天然記念物のコケモモが足元にほころび、ミヤマキリシマが山肌をピンクに染める。
幻の花ベニバナヤマシャクヤクがひっそりと咲くのもこの頃である。
梅雨明けは花の種類がいっきに増える。
雨が池や坊ガツルやタデ原湿原ではハンカソウやノハナショウブ、シモツケソウ、マツムシソウなどに癒される。

9月中旬になるとウメバチソウやオタカラコウ、ツリフネソウ、フシグロセンノウ、リンドウなどが登山道や草原を彩る。
山が紅葉する10月中旬頃になると、花の賑わいはなくなり、やがてススキの穂波に埋もれるようにして、山全体が冬の眠りにつき、樹氷・霧氷の冬の華のシーズンを迎える。
◇参考資料 藤田晴一著 花の山旅【九重山】


山の写真集/花の写真集】