今回の山行き
九重

【今回のコース】
久住高原A-男池-タデ原湿原-牧の戸-久住高原B

2019年7月12日(金) 曇後晴 久住高原 9時30分 気温18度〜23度
九州北部が梅雨入りして二度目の晴間。
スッキリしない不安定な晴間だが雨の心配はないようだ。
今回は前回(6日)咲き始めていたアオテンマ(青天麻)メインの花山行
アオテンマは超の上に超が付く希少種で見頃を迎えているはずである。

久住高原に着いたのは9時半頃か。
ライブカメラで晴れていた空は今は曇。気温18℃。
九重山は中腹までガス雲が下りて表情が暗い。

まだ早いと思いながらも一応ノカンゾウ(野萱草)のポイントを確認。
何とこれが咲いていた。(写真・下1)
一番花。次の出番を待つ蕾も色付いていた。
他を見回しても蕾すら多くは見えないのに・・・。
サプライズ感覚の嬉しいビックリである。

ノカンゾウは九重では殆ど見ることがない超希少種の花で、一重でも美しく品格のある姿は、日頃の憂さを忘れさせてくれるという意味なのか、別名「忘れ草」とも呼ばれている。
対して九重の其処其処で見かける八重の派手な花は同じ仲間のヤブカンゾウ(藪萱草)(下7)である。
又、此花は変異が多いことでも知られ、とくに赤色の強いものはベニカンゾウ(紅萱草)と呼ばれている。
(咲き始めた久住高原のノカンゾウ 9時52分撮影)
【600*800】

この時期はオグラセンノウ(小倉仙翁)も忘れることはできない。(写真・下2〜3)
オグラセンノウは1903年に、牧野富太郎博士が阿蘇で採取された標本を新種として記載した花で、極めて限られた地域の高原の湿地に生育する。
九重で見かけることは殆どなく、環境省ではレッドデータにも指定されている。
一見色違いのカワラナデシコにも見えなくもないが、良く見れば表現が難しい不思議な色をしている。
背が高い割には茎が細く、いつも頼りなさそうに風に揺れているのが印象に残る。
個体数が極めて少ないので、少しでも減少すると気になるが、他の植物にも支えられて思いの他逞しく生きているのか最近は少しづつ増えているようだ。
早く咲き始めたノカンゾウにペースをあわせるかのように平年より早く見頃を迎えていた。
(今年は早く見頃を迎えたオグラセンノウ 10時15分撮影)
【800*600】

アオテンマ(青天麻)はほぼピークを迎えていた。(写真・下4〜5)
前回咲き始めていた下の花は枯れていたが、ほぼ上まで咲き上がり背丈も少し伸びたように見えた。
ネットで検索すれば、
オニノヤガラ(鬼の矢柄)は根もなく葉もなく、地中に小さな芋状の塊茎を作り、その中に菌根菌を住まわせ養分を得る菌従属栄養植物とある。
云わば菌に対してヒモ的な奴で、しかも何も見返り(Give)をしないとのこと。
植物と菌とのGive and Take の共生関係は良く聞くが、こんなTake and Take の一方的な関係は聞いたことがない。
それは共生ではなく「略奪」である。(笑)
では、何故菌は騙されるのか。
信じられない上手な騙しのテクニックがあるようだ。
面白いけど、これ以上はネットで検索してみてください。

母種のオニノヤガラは光合成の能力はなく葉緑素がないため、花や茎は茶褐色している。
対してアオテンマ(青天麻)は地上部に葉緑素を持つので花や茎が緑色をおびるとのこと。
イヤー、段々学問的になり、難しくなってきたなあ〜・・・。
見栄えは決して良くないが希少種の花は宝探しと同じ感覚で心躍るものである。
(今がピークかアオテンマ 12時2分撮影)
【600*800】

男池で昼食を摂りタデ原湿原に移動。
長者原では夏空が広がり、天気がこのまま続けば、牧の戸コースの近場なら夕駆けできそうだが、前回と同じく西空の雲が多く良い夕暮は期待できそうもない。
予定通り散策に終始することにした。

タデ原湿原は前回も散策しているので重複は避けるとして、
アオタチカモメヅル(青鴎蔓)(写真)が蕾を膨らませていた。
次回までには咲き始めると思われる。

ナツツバキ(夏椿)(下6)が沢山の美しい花を付けていた。
蕾もまだ沢山残されており当分楽しめる。
ナツツバキは別名シャラノキ(沙羅樹)と呼ばれ、仏教の聖樹であるサラノキ(沙羅樹)と混同されるが別種である。
ある僧侶がナツツバキをサラノキと間違えたとの一説がある。
平家物語の冒頭に
祗園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす。
おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし。
・・・・・・。

とあるが「沙羅双樹の花」とは「夏椿」を差しているとも言われている。
(タデ原湿原に咲くアオタチカモメヅル 2017年7月撮影)
【600*800】

タデ原湿原の木道を一回りして再び久住高原へ戻る。
午前中とは場所を移動して散策。
この頃から再び雲が広がり始めた。

今、久住高原では、
アソノコギリソウ(阿蘇鋸草)、ウツボグサ(靫草)、オオバギボウシ(大葉擬宝珠)、オカトラノオ(岡虎の尾)、カキラン(柿蘭)、クサフジ(草藤)、コマツナギ(駒繋)、サワヒヨドリ(沢鵯)、シシウド(猪独活)、シモツケ(下野)、シモツケソウ(下野草)、シライトソウ(白糸草)、シロニガナ(白苦菜)、タカトウダイ(高灯台)、ツチアケビ(土通草)、 ノアザミ(野薊)、ノハナショウブ(野花菖蒲)、チダケサシ(乳茸刺)、ヒメジョオン(姫女苑)、ミヤコグサ(都草)、ユウスゲ(夕菅)、ヤブカンゾウ(藪萱草)(下7)、ヤマアジサイ(山紫陽花)、ヤマブキショウマ(山吹升麻)、ヤマホトトギス(山杜鵑草)(写真)などが咲き、
ウバユリ(姥百合)、ヒメユリ(姫百合)、ヒロハトンボソウ(広葉蜻蛉草)などが蕾を膨らませていた。
(久住高原で見かけたヤマホトトギス 15時38分撮影)
【800*600】


【ノカンゾウ一番花】
まだ早いと思いながらも一番花にビックリ。次の出番を待つ蕾も色付いていた。
2019年7月12日9時53分撮影
【1024*768】


【今がピークかオグラセンノウ】
早く咲き始めたノカンゾウにペースを合わせたのか最速のピークを迎えていた。
2019年7月12日10時13分撮影
【1024*768】


【表現がむずかしい不思議な色】
表現がむずかしい不思議な色をしている。今年も風に揺れながら迎えてくれた。
2019年7月12日10時25分撮影
【1024*768】


【オニノヤガラの変り者】
光合成の能力も葉緑素もないオニノヤガラの変り者。地上部に葉緑素を持つ。
2019年7月12日11時53分撮影
【768*1024】


【心躍る超希少なアオテンマ】
見栄えはパッとしなくても超希少種の花は宝探し感覚で心が躍るものである。
2019年7月12日12時4分撮影
【1024*768】


【タデ原湿原に咲くナツツバキ】
別名はシャラノキ。仏教の聖樹であるサラノキ(沙羅樹)と混同されるが別種。
2019年7月12日14時5分撮影
【1024*768】


【八重の派手なヤブカンゾウ】
ノカンゾウと同じユリ科ワスレナグサ属の仲間だがこんなに違うものかと思える。
2019年7月12日17時20分撮影
【1024*768】

 前回(2019年7月6日)の山行き

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